大麻から抽出される成分である「CBD」は、さまざまな健康効果があることで最近注目されています。
「CBD」について調べていると、よく目にすることがあるのが、「ヘンプ」という言葉。
特に、「CBD」と「ヘンプ」の違いについて正確に理解している方は、まだまだ少ないかもしれません。
この記事では、「CBD」と「ヘンプ」の違いについて、さらには大麻とは切っても切れない関係の麻について、読者の皆様に分かりやすく説明します。正しい知識を持つことで、大麻に関する誤解や混乱を解消し、安心して情報にアクセスできるようにしましょう。
植物としての麻
大麻について理解する前に、まず植物としての麻について説明します。
麻と呼ばれる植物は、アサ科アサ属の一年草で、大きく分けて靭皮繊維と葉脈繊維の2種類があります。
さらに靭皮繊維の中には主に、亜麻(リネン)・苧麻(ラミー)・黄麻(ジュート)・洋麻(ケナフ)・大麻(ヘンプ)があり、葉脈繊維(ようみゃくせんい)には、マニラ麻(アバカ)・サイザル麻(ヘネケン)等があります。
靭皮繊維(じんぴせんい)
靭皮繊維は、植物の茎や根に含まれる繊維で、麻の代表的な種類です。
亜麻(リネン)
亜麻(リネン)は、古くから衣類や日用品などに利用されてきた植物です。寒冷地で栽培され、茎から繊維を採取します。リネン製品は、吸水性や通気性に優れ、丈夫で耐久性が高いのが特徴です。
苧麻(ラミー)
苧麻(ラミー)は、亜麻に似た植物で、茎から繊維を採取します。亜麻よりも繊維が長く、しなやかで丈夫なのが特徴です。ラミー製品は、衣類や日用品、工業用繊維などに利用されます。
黄麻(ジュート)
黄麻(ジュート)は、麻袋(ドンゴロス)として知られ、穀物の輸送、保管に使われています。繊維が粗く、丈夫で耐久性が高いのが特徴です。ロープ、カーペットなどにも利用されます。
洋麻(ケナフ)
ケナフは、亜麻や苧麻に比べて繊維が粗く、丈夫で耐久性が高いのが特徴です。衣類や日用品、工業用繊維などに利用されます。最近では、製紙用非木材原料としてナプキン等に使われています。
大麻(ヘンプ)
大麻(ヘンプ)は、麻の中でも最も古くから栽培されてきた植物です。茎から繊維を採取しますが、麻製品以外にも、食品や医療用品などにも利用されています。
葉脈繊維(ようみゃくせんい)
葉脈繊維は、植物の葉の葉脈に含まれる繊維です。
マニラ麻(アバカ)
マニラ麻(アバカ)は、熱帯地方で栽培される植物です。繊維が長く、しなやかで光沢があるのが特徴です。麻袋やロープ、カーペットなどに利用されます。
サイザル麻(ヘネケン)
サイザル麻(ヘネケン)は、熱帯地方で栽培される植物です。繊維が粗く、丈夫で耐久性が高いのが特徴です。水中での腐食に強く、船舶用ロープ、漁網等に適しています。
このように麻は、昔から主に繊維や茎を、布や漁網・屋根材などに利用されていて、人々の生活に身近な植物として栽培されていました。
大麻(ヘンプ)
日本では、戦前までは衣料の繊維および食糧として大麻の栽培がさかんでした。また、医療薬として、ぜんそく、鎮痛、鎮静剤として記載され、処方されていました。
大麻には、カンナビノイドと呼ばれる化学物質が約120種類含まれており、現在各国でさまざまな研究が進み、人体への健康効果が明らかになっています。その中でもよく知られている成分が、精神活性作用を持つTHC(テトラヒドロカンナビノール)と、精神活性作用を持たないCBD(カンナビジオール)の2種類です。
その大麻は用途別に、「薬用型」「中間型」「繊維型」の3つに分けることができます。
薬用型
麻酔性が強く、化学物質のTHC(テトラヒドロカンナビノール)の含有率3~6%。CBD(カンナビジオール)の含有量は少ない。【薬用】
中間型
THC(テトラヒドロカンナビノール)とCBD(カンナビジオール)をほぼ同量含有する。【薬用】
繊維型
麻酔性が少ない。THC(テトラヒドロカンナビノール)の含有量が少ない。CBD(カンナビジオール)の含有量が多い。【繊維用・食用】
一般的な用語として、繊維の採取や食品としての利用を目的として、かつ、THC(テトラヒドロカンナビノール)の含有量が低いものを、「ヘンプ」と呼び、産業用大麻を示します。
一方、THC(テトラヒドロカンナビノール)の含有量が高いものを、マリファナと言い区別されています。
カンナビジオール(CBD)について
「CBD」とは、カンナビジオール(Cannabidiol)の略称です。大麻植物に存在するカンナビノイドと呼ばれる化学物質の一つです。
大麻植物には、THC(テトラヒドロカンナビノール)と呼ばれる成分が含まれており、精神作用を起こします。しかし、CBD(カンナビジオール)は、精神作用を起こさないとされています。
「CBD」の健康効果としては、痛みの緩和・炎症の抑制・不安やストレスの軽減・睡眠の改善・てんかん発作の抑制・抗がん作用・認知機能の改善等があります。
また「CBD」は、様々な方法で摂取することができます。最も一般的なのは、オイルを摂取することです。オイルは、舌下で吸収されるため、効果が早く現れます。他に、カプセル、グミ、タブレット、ガム、クリーム、バーム、べイプ、ドリンクなど、様々な形状のCBD製品が販売されています。
カンナビジオール(CBD)とヘンプの違い
「ヘンプ」とは
麻(植物)の一種で、靭皮繊維という種類の中の、大麻という品種にあたります。
その大麻の中の繊維型に属するものが「ヘンプ」と呼ばれます。
カンナビジオール(CBD)とは
麻(植物)に含まれる約120種類の天然の化学物質であるカンナビノイドの中の一成分です。
つまり「ヘンプ」とは、麻(植物)の種類を示すのに対し、
「CBD」とは、麻(植物)の中の成分を示します。
まとめ
この記事では、以下について解説しました。
- 植物としての麻
- 大麻について
- CBDについて
- 植物としての麻
どちらも大麻に関係する言葉であるだけに、頭の中が整理しずらいと思いますが、お分かりいただけましたでしょうか?
CBDは、今後も人々の健康に役立つ可能性が大いに期待されています。
さらに世界で研究が進み、病気の治療などにも貢献することは間違いないでしょう。
あなたも正しい知識を学び、CBDを日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか!